開業予定者必見人通り多い立地で失敗しない必要な事と押さえておくことの画像

開業予定者必見人通り多い立地で失敗しない必要な事と押さえておくこと

開業予定の方へ

大谷 哲也

筆者 大谷 哲也

不動産キャリア20年

すべてのお客様に誠実に接客すること、お問合せや依頼にはスピード感のある接客を心がけています。
前職では一般企業様の社宅取り扱いや不動産会社様向けの法人営業を長年、経験してきました。仲介業は物件オーナー様である大家様、物件管理している不動産会社様、入居希望の法人・個人のお客様などを結ぶ仕事となります。

開業予定の店舗やサロン、飲食店の物件を探していると、人通りが多い場所に目が行きがちです。
しかし、人通りの多さだけを頼りに選ぶと、意外な落とし穴があり、売上が伸びずに失敗してしまうケースも少なくありません。
なぜ人通りが多いのにお客さまが増えないのか。
そこには立ち寄り率や客層、滞在時間など、数字では見えにくい要素が関係しています。
この記事では、開業前に押さえておくことや、立地選びで本当に必要な事を、経営初心者でも理解しやすいように整理して解説します。
これから物件を決める前に、一度立ち止まって確認してみてください。

人通りの多さだけで選ぶと失敗する理由

まず、人通りの多さと売上の多さは同じ意味ではないことを押さえておく必要があります。
国土交通省の歩行者量調査では、歩行者量と売上や地価には一定の相関があるとされていますが、実際の売上は「通行量×入店率×買上率×客単価」という要素の掛け合わせで決まります。
つまり、どれだけ多くの人が前を通っても、立ち寄る人が少なければ買上客数は増えません。
特に開業予定の業種と通行する人の目的がかみ合わない場合、期待したほど売上につながらないおそれが高まります。

次に、通行量調査の数字と実際の来店見込みは、同じように見えて意味が異なる点に注意が必要です。
行政や民間事業者が公表する通行量データは、一定時間に通過した人数を客観的に示す統計ですが、その中には単なる通過者や通り抜けの利用者も多く含まれます。
もし「通行量が多い=そのまま来店客数になる」と読み違えると、家賃負担に見合わない売上計画を立ててしまいかねません。
とりわけ初めての開業では、数字だけを見て判断せず、時間帯別や曜日別の傾向まで踏まえて慎重に解釈することが大切です。

また、開業予定エリアでは、人が「通過する動線」と「買う人・利用する人の動線」を分けて考えることが重要です。
歩行者通行量の研究では、単に人が多い通りであっても、滞留行動が少ない場所では店舗利用につながりにくいことが示されています。
例えば、乗換えや通勤のために急いで通過する人が大半の通りと、買物や飲食、サービス利用を目的にゆっくり回遊する人が多い通りでは、同じ人数でも見込み客としての価値が異なります。
こうした目的別の動線を意識せずに「一番人通りが多い場所」を選ぶと、業態との相性が悪く、集客効率の低い立地になってしまうおそれがあります。

指標 内容 見落としやすい点
通行量 一定時間の通過人数 通過者が多く利用者は不明
入店率 通行人のうち入店した割合 客層や導線で大きく変動
滞在時間 店内や周辺での平均滞在時間 単価やリピートに直結



開業前に押さえておくべき立地チェックポイント

開業予定地を選ぶときは、人通りの多さだけで判断すると重要な視点を見落としやすくなります。
まず、周辺人口や昼夜人口を把握し、自店の主な来店時間帯と合っているかを確認することが大切です。
あわせて、近隣の競合施設数や業種構成を調べることで、自店が入り込める余地や差別化の方向性が見えやすくなります。
さらに、最寄駅やバス停との距離や動線も確認し、「通いやすさ」という視点で立地を評価しておく必要があります。

次に、店舗前道路の幅員や歩道の有無は、集客力と安全性の両面で大きな影響があります。
幅員が狭く車通りが多い道路では、通行人が立ち止まりにくく、ベビーカーや車椅子利用者にとっても負担が大きくなります。
看板やファサードの視認性も重要で、見通しの良さや建物の向きによって、通行人の目に入りやすいかどうかが変わります。
また、騒音や排気ガスの多い道路沿いでは、飲食店やリラクゼーション系の店舗にとってマイナス要因となるため、現地での五感による確認が欠かせません。

さらに、用途地域や建ぺい率・容積率、開業可能な業種制限など、法的な条件も必ず事前に確認しておく必要があります。
用途地域は、住居系・商業系・工業系などの区分ごとに、建築できる用途や建物のボリュームが決められており、建築基準法や都市計画に基づき各自治体が定めています。
また、建ぺい率と容積率は敷地面積に対して建てられる建物の大きさの上限を示す指標であり、同じ面積でも地域によって許容される延床面積が大きく異なります。
加えて、用途地域ごとに業種の可否や規模の制限が細かく定められているため、業種計画と立地条件が適合しているかを、自治体窓口や公的な情報で必ず確認しておくことが重要です。

チェック項目 確認の観点 見落とし時のリスク
周辺人口・昼夜人口 主要客層の滞在時間帯 人通りの割に売上不足
競合施設数・業種 差別化余地と価格帯 価格競争・顧客分散
道路幅員・歩道・視認性 立ち止まりやすさと安全 入店機会損失・事故懸念
用途地域・建ぺい率等 建物規模と開業可能業種 計画変更・開業不可

開業予定地で必ず確認したいコストとリスク

人通りの多いエリアは集客が期待できる一方で、賃料水準が高くなる傾向があります。
国土交通省の地価や商業地の動向をみても、商業集積が進む地域ほど地価や賃料が上昇しやすいとされています。
そのため、賃料負担を売上予測でどの程度カバーできるのかを、慎重に見極める必要があります。
内装費や看板設置費、共益費など、人通りの多い立地ならではの初期費用やランニングコストも必ず試算しておきたいところです。

次に、災害リスクの確認は欠かせません。
国土交通省のハザードマップポータルサイトでは、洪水や土砂災害などの浸水想定区域や土砂災害警戒区域を一元的に確認できます。
また、水防法や土砂災害防止法に基づき、市町村が公表している洪水ハザードマップや土砂災害警戒情報も整備されています。
開業予定地がこれらの区域に含まれている場合、浸水深や土砂流入によって長期間営業できなくなるおそれがあり、事業継続計画の観点から慎重な判断が求められます。

さらに、電気・ガス・上下水道・通信などのインフラ状況と、省エネ設備の導入可能性も重要です。
資源エネルギー庁は、省エネ設備投資への支援策や、事務所・店舗等における省エネの取組を紹介しており、設備更新によるエネルギー使用量の削減が推奨されています。
インフラ容量が不足している場合、受電設備や配管工事など追加費用が発生し、開業時期にも影響する可能性があります。
また、空調機器や給湯設備を高効率なものに更新できるかどうかで、長期的な光熱費は大きく変わるため、開業前に設備仕様と将来の更新計画まで含めて確認しておくことが大切です。

確認項目 主な内容 見落とし時のリスク
賃料と費用負担 賃料水準と共益費 利益圧迫による撤退
災害ハザード 洪水浸水想定区域等 長期休業と設備損害
インフラと省エネ 電気容量と設備更新 追加投資と高い光熱費


失敗を防ぐための立地選びの進め方と相談の活用

まず、候補地ごとの情報を整理するために、比較表を作成することが重要です。
表には、人通りの多さだけでなく、賃料や共益費などのコスト、災害リスクや法的制限といった安全面の情報も並べて記載します。
そのうえで、自身の業種やターゲットと相性が良いかどうかを、売上や利益への影響という視点から総合的に評価します。
このように項目を可視化して比べると、人通りが多いだけの候補地を選んでしまう思い込みを防ぎやすくなります。

次に、現地調査では時間帯と曜日を変えて人の流れを確認することが欠かせません。
平日と休日、昼と夜で、買い物や飲食を目的とした人がどの程度いるのか、立ち止まる人が多い場所かどうかを観察します。
あわせて、周辺施設の営業時間や業種も確認し、自店の営業時間と重なったときに相乗効果が期待できるかを考えます。
さらに、店舗前の歩道の幅や車道との距離、騒音の有無なども、その場で体感しておくと、集客しやすいかどうかの判断材料になります。

それでも立地選びに不安がある場合は、不動産や店舗立地に詳しい専門家へ相談することが有効です。
相談の前には、想定する売上目標や家賃の上限、希望する坪数、客層や営業時間などを整理し、質問事項として書き出しておきます。
たとえば、「この賃料水準で事業として成り立つか」「この用途地域で予定業種が問題ないか」「災害リスクへの備えとして確認すべき公的情報は何か」といった具体的な問いを用意します。
こうした準備を行うことで、専門家からより具体的な助言を受けやすくなり、開業前の不安を大きく減らすことができます。

比較項目 確認内容 判断の視点
人通り 時間帯別の歩行者数 ターゲット層との一致
コスト 賃料と共益費総額 売上予測とのバランス
リスク 災害情報と法的制限 事業継続性の確保

まとめ

人通りが多い場所でも、客層や立ち寄り率が合わなければ売上にはつながりません。
周辺人口や競合状況、法規制、災害リスク、インフラなど、開業前に押さえておくことは多くあります。
候補地を比較し、数字と現地の様子を総合的に見ることで、失敗のリスクを大きく減らせます。
当社では、通行量だけに頼らない立地診断や、賃料と売上予測のバランス確認まで丁寧にサポートしています。
「この場所で本当に大丈夫か」と不安を感じたら、開業予定やご希望条件をぜひ一度ご相談ください。


お問い合わせはこちら

”開業予定の方へ”おすすめ記事

  • 事業用物件はいつ探し始めるべきか?開業初心者が失敗しない進め方を解説の画像

    事業用物件はいつ探し始めるべきか?開業初心者が失敗しない進め方を解説

    開業予定の方へ

  • 事業用賃貸の申込書類は何が必要?初心者が押さえるポイントと必要書類を解説の画像

    事業用賃貸の申込書類は何が必要?初心者が押さえるポイントと必要書類を解説

    開業予定の方へ

  • 事業用物件の現状渡しと現状返しとは?違いを分かりやすく整理して解説の画像

    事業用物件の現状渡しと現状返しとは?違いを分かりやすく整理して解説

    開業予定の方へ

  • 賃貸経営は変わる?不動産投資の始め方と注意点を解説の画像

    賃貸経営は変わる?不動産投資の始め方と注意点を解説

    開業予定の方へ

  • 初心者のための開業ガイド!スケルトンと現状渡しの違いを解説の画像

    初心者のための開業ガイド!スケルトンと現状渡しの違いを解説

    開業予定の方へ

  • 申込意思表示の大切さ!内見済みで申込の検討をしてたら成約済みになってしまった!の画像

    申込意思表示の大切さ!内見済みで申込の検討をしてたら成約済みになってしまった!

    開業予定の方へ

もっと見る