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近年流行している倉庫で飲食店とは!?適した条件とメリットデメリットを解説

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大谷 哲也

筆者 大谷 哲也

不動産キャリア20年

すべてのお客様に誠実に接客すること、お問合せや依頼にはスピード感のある接客を心がけています。
前職では一般企業様の社宅取り扱いや不動産会社様向けの法人営業を長年、経験してきました。仲介業は物件オーナー様である大家様、物件管理している不動産会社様、入居希望の法人・個人のお客様などを結ぶ仕事となります。

近年、倉庫を活用した飲食店が流行りつつあることをご存じでしょうか。
天井が高く広い空間を生かしたダイナミックな店舗づくりは、通常の路面店とは違う世界観を演出できる一方で、検討すべき条件も少なくありません。
用途地域や飲食店営業許可といった法的な適した条件に加え、排気ダクトや給排水、駐車場台数など、倉庫特有のチェックポイントがあります。
本記事では、倉庫で飲食店を始める際のメリットデメリットを整理し、どのような立地や建物が向いているのか、そしてリスクとの付き合い方まで、検討中の方が具体的な一歩を踏み出せるように解説します。

倉庫で飲食店を始める流行りと背景

近年は、余剰となった倉庫をリノベーションし、カフェや飲食店、物販店舗として再活用する事例が増えています。
物流拠点の再編により、内陸部などで空き倉庫が発生し、それを店舗用途へ転用する動きもみられます。
また、広い天井高や開放感のある空間を生かした個性的な店舗づくりがしやすい点も、倉庫リノベーションが注目される背景になっています。
店舗リノベーション全体の関心が高まる中で、倉庫という既存ストックを活かす流れが一層強まっている状況です。

倉庫を活かした飲食店は、郊外型で駐車場を広く確保しやすく、大人数の来店にも対応しやすいという特徴があります。
広いスペースを活かして、フードコートのように複数業態を集積したり、物販やイベントスペースを併設したりする形も増えています。
厨房やバックヤードを十分に確保しやすいため、テイクアウトやデリバリー用の仕込み拠点を兼ねるなど、生産拠点と店舗機能を一体化させたビジネスモデルも取りやすいです。
このように、倉庫飲食店は、単なる飲食スペースにとどまらず、多機能な集客拠点として計画される傾向があります。

通常の路面店やビルイン店舗は、通行量の多い商業地での集客を前提とすることが多いのに対し、倉庫飲食店は目的来店を促す施設として位置づけられやすいです。
そのため、家族連れやグループ利用、車でのレジャー移動の途中で立ち寄る層など、滞在時間が長くなりやすい顧客を意識した店舗づくりがしやすくなります。
さらに、倉庫ならではのスケール感や非日常性を打ち出すことで、写真撮影やイベント利用を目的とする層にも訴求できます。
このように、倉庫だからこそ、通常の街中店舗とは異なる来店動機やライフスタイルを持つターゲットを狙いやすい点が流行の背景にあります。

活用形態 主な特徴 想定ターゲット
単独大型飲食店 広い客席と駐車場 家族連れや団体客
飲食+物販併設 食事と買い物一体 滞在時間長い来店者
複数店舗集積型 フードホール的空間 食べ歩き志向の層

倉庫物件で飲食店に適した立地・建物条件

倉庫を飲食店として活用する場合でも、まず確認したいのが用途地域と建物の用途変更の可否です。
都市計画法に基づく用途地域では、地域ごとに建築できる建物の用途や規模が定められており、飲食店が認められる地域かどうかの確認が欠かせません。
また、既存建物を飲食店などに用途変更する際には、一定の条件を満たす場合に許可手続が緩和される運用も示されています。
このため、倉庫物件を検討する段階で、用途地域と用途変更の条件を整理しておくことが重要です。

さらに、食品衛生法に基づく飲食店営業許可が取得できるかどうかも、倉庫の適性を見極める大切な視点になります。
営業許可制度では、飲食店営業に該当する場合、所管の保健所で施設基準を満たしているかの審査を受ける必要があります。
施設基準には、調理場の広さや内装材、換気や給湯、手洗い設備など、衛生管理に必要な項目が具体的に示されています。
倉庫の状態によっては、大規模な改装が必要になることもあるため、事前に保健所へ相談し、必要な改修内容の目安を把握しておくと安心です。

物理的な条件としては、天井高や間口の広さが十分にあり、厨房機器や客席レイアウトを柔軟に計画できるかどうかが重要です。
特に、厨房機器や什器の重量に耐えられる床耐荷重かどうか、排気ダクトを外部まで十分な高さで立ち上げられるかなど、構造面の確認が欠かせません。
また、給排水設備をどこまで増設できるか、グリストラップを適切に設置できるかも、後からの工事コストに直結します。
これらの条件を総合的に検討することで、倉庫が飲食店として使いやすいかどうかを見極めやすくなります。

集客面では、周辺人口や通勤・買物などの人の動きに加え、駐車場台数と車両の出入り動線が大きな判断材料になります。
特に倉庫立地は車利用の来店が前提となることが多いため、敷地内に十分な駐車スペースを確保できるかどうかが売上に影響しやすいです。
また、もともとトラックの荷さばきに使われていた出入口や通路は、そのままでは歩行者にとって安全とは限らないため、歩行者用と車両用の動線を整理する必要があります。
周辺道路の幅員や信号の有無なども含め、来店しやすさと安全性の両方から立地条件を確認することが大切です。

確認項目 主なチェック内容 飲食店への影響
用途地域・用途変更 飲食店可否と許可要否 出店可否と計画自由度
建物の物理的条件 天井高・床耐荷重・設備 改装費用と使い勝手
立地・動線条件 駐車場台数と進入動線 集客力と安全性

倉庫で飲食店を始めるメリットと具体的な活かし方

倉庫物件の大きな魅力は、一般的な飲食店よりも広い面積と高い天井を確保しやすい点です。
そのため、席数を多く確保した大箱店舗として計画しやすく、ゆとりある通路や待合スペースも設けやすくなります。
さらに、イベントスペースやワークショップ会場を併設した多目的利用や、テイクアウト専用カウンターを外部に設けるといった使い分けもしやすいです。
こうした複合的な活用により、時間帯や曜日ごとに異なる需要を取り込みやすくなる点が、倉庫飲食店ならではの強みです。

また、倉庫は内部が比較的シンプルな構造であることが多く、柱位置などの制約が少ないため、厨房と客席のレイアウトを柔軟に検討しやすいです。
動線を短く意識した厨房配置にすることで、スタッフの移動距離を抑え、効率的なオペレーションにつなげることができます。
さらに、広さを活かして十分なバックヤードやストックヤードを確保すれば、食材や備品をまとめて仕入れやすくなり、在庫管理もしやすくなります。
物販コーナーやテイクアウト商品の陳列スペースをゆとりをもって設ければ、飲食以外の売上獲得にも結び付きます。

収益性の面では、初期投資とランニングコストのバランスを意識することが重要です。
日本政策金融公庫の調査では、飲食店の開業費用の平均値は約1000万円前後とされており、内装工事費や設備投資が大きな割合を占めています。
倉庫物件の場合、スケルトンに近い状態から計画することが多いため、厨房設備や空調設備への投資は必要ですが、その分レイアウト自由度を活かして無駄な造作を省くことで、内装費の抑制が期待できます。
また、飲食店経営では、食材費と人件費を合わせたFLコストを売上の60%以内、家賃を含めたFLRコストを70%以内に抑えることが一つの目安とされており、広い倉庫を選ぶ際も、この比率を意識した賃料水準と売上計画の両立が大切です。

倉庫飲食店の強み 具体的な活かし方 収益性向上の視点
広い面積と高天井 大箱店舗やイベント併設 時間帯別の集客最大化
レイアウト自由度の高さ 効率的な厨房と客席動線 人件費率の抑制と回転率向上
十分なバックヤード まとめ仕入れと物販展開 FLRコスト管理と利益確保

倉庫飲食店ならではのデメリットとリスク対策

倉庫を飲食店仕様に変更する場合は、断熱工事や空調設備の強化、給排水設備の増設、防火区画の整備など、当初の想定より多くの工事費が発生しやすいです。
とくに、厚生労働省が定める食品衛生法や各自治体の飲食店営業許可基準に適合させるためには、厨房周りの給排水や内装材、防火設備の仕様を細かく調整する必要があります。
さらに、倉庫の構造によっては床の勾配調整やグリーストラップの新設が必要になることもあり、計画段階から工事費の概算と許認可条件を慎重に確認しておくことが重要です。
こうした追加コストを見込んだうえで全体予算を組むことで、開業直前の想定外の出費を避けやすくなります。

また、倉庫はもともと人の出入りを前提とした建物ではないことが多く、出入口の位置や幅、避難経路、駐車場から店舗までの歩行動線など、安全面と利便性の両方を満たす工夫が欠かせません。
消防法に基づく避難経路の確保や誘導灯の設置基準に適合させながら、高齢者や子ども連れでも安心して利用できるバリアフリー動線を検討することが大切です。
加えて、自動車で来店する利用者が多い立地では、駐車場への進入路や場内の誘導表示を分かりやすく整備し、歩行者との交錯を減らす配置計画が求められます。
このように、建物内部だけでなく敷地全体の安全計画を行うことで、事故やトラブルのリスクを抑えることができます。

さらに、倉庫飲食店では、営業に伴う騒音や排気臭、自動車の出入り増加が近隣環境に影響しやすいため、開業前から周辺状況の把握と対策を検討しておくことが重要です。
排気ダクトの高さや向き、消音設備や脱臭装置の設置など、設備面で配慮することにより、苦情の発生を未然に抑えることが期待できます。
また、将来的に建物の用途変更や建替えの可能性がある場合には、賃貸借契約で契約期間や中途解約時の原状回復範囲、立退き時の補償条項などを事前に整理しておくと、長期的な事業リスクの軽減につながります。
このような契約条件と事業計画を合わせて検討することで、倉庫ならではの不確実性に備えやすくなります。

項目 主なリスク内容 主な対策の方向性
設備・工事費 断熱空調強化や給排水増設による工事費増加 事前見積取得と許認可条件を踏まえた予算計画
安全・動線計画 避難経路不足や駐車場内での事故リスク 避難計画の見直しと敷地全体の動線整理
近隣・将来リスク 騒音臭気や交通量増加、用途変更による立退き 設備による環境対策と契約条件の事前精査

まとめ

倉庫での飲食店開業は、広い空間と個性的な雰囲気を活かせる一方で、法規制や設備投資など専門的な確認が欠かせません。
用途地域や営業許可、断熱・空調・排水・防火設備、駐車場や動線計画まで、事前に総合的なチェックが必要です。
当社では、倉庫の適性診断からレイアウト計画のポイント、初期費用とランニングコストの見通しまで丁寧にサポートします。
「この倉庫で本当に飲食店ができるのか」「どこから進めればよいか不安」という方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。


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